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風船とばしについての資料

T.ゴム風船についての研究と報告

1. 『ゴム風船の空中への放出が自然環境へ与える効果の研究』1989,7/29NABA、環境委員会技術顧問 D.K.バーチェット
"通常、上空8キロメートルまで上昇した風船は、外気が摂氏零下40度の中で硬化し、気圧の低下で既に7.3倍に膨張している。ここでゴム膜が膨張に耐え切れず、粉々に破裂し地上に落下する。また、上記の例と違ってガスが漏れそのままの形で落ちて来た場合でも、3,900ヘクタール(東京ドームの834倍)の広さの地域に1個が落ちる計算となるので、殆ど人目につくような数ではないし、これとても生物分解して樫の葉が朽ちるのと同程度の速度で消えて無くなる"という科学的実証研究報告。

2. 北海道大学水産学部による父島沿岸の漂流物の研究報告をした荻教授は、「過去500点以上の外洋漂流物の中にゴム風船は認められませんでした。少なくとも、日本の報告例には海面に浮いた状態のゴム風船は一つもない。また魚網にかかり事故死した3,000〜4,000羽の水鳥の胃からもゴム風船は認められませんでしたし、日本獣医大学での標本データにもゴム風船による死亡例はありません」と話している。

3. 米国マイアミ大学海洋気象科学学部 ピーター・L・ルーツ博士の研究によると、
@ 海亀にゴム風船を給餌する実験(1989年)では
 "ゴム風船を海亀に給餌してもそのまま排出され、しかも無害であった"
A 海亀に天然ゴムとビニールを給餌する研究では
 "驚いた事に、どの海亀(5頭)も無色透明なビニールは食べなかった"
と報告している。
これは、もし脱色したゴム風船が海面を漂っていたとしても海亀はクラゲと間違って食べないし、もし間違って食べたとしてもそのまま排出され無害であると言う事である。

4. 死亡した海亀の腸からゴム風船の小片が見つかった事で有名な米国ニュージャージー州の海洋哺乳動物保護センターの責任者ボブ・ショールコフ氏は、「死因がゴム風船であるとは確認出来ていない」と語っている。
バージニア海洋科学研究所、テキサス大学、オキーノス大洋研究所などの第一級の海亀の研究に於て、"天然ゴム風船が海亀の死因であるとする証は無い"と報告している。

5. 米国漁業野生生物保護局のキャシー・ベック氏による過去8年余りの間に死亡した439頭のSeacow(ジュゴン)の調査によると、
「死亡したジュゴンの腸からゴム風船が出た事例は皆無だった」と語っている。

6. 『微生物による天然ゴム廃棄物処理』平成2年、10/23日本農芸化学会雑誌刊によると、
"土壌より分離したナカーティア属の放線菌835Aにより、厚さ0.1ミリの天然ゴム製手袋は最も容易に分解され、ほぼ3週間で完全に分解された"
『加硫天然ゴムの微生物分解について』1985.7/17 米国微生物学会刊
『加硫天然ゴムの微生物において混合成分の違いによる効果について』1990.2/16 米国応用高分子化学誌刊
上記の文献はいずれも天然ゴムは土壌の微生物により分解すると述べている。
また、"天然ゴム風船は微生物、紫外線、空気および自然環境により分解する"と述べている文献を巻末に列挙しておきます。

7. 1988年10月20日、米国ワシントン州シアトル市の連邦地方裁判所で「天然ゴムから作った風船が自然環境を害する原因になるとは考えられない」とする判決が出ている。
これは、環境保護団体が風船を飛ばす事を止めさせる申し立てに対しての正当な判決の結果である。

8. 1993年6月には米国フロリダ州において、一束10個以上にまとめたヘリウム風船を故意に空中へ解き放す事を禁止する法案が可決された。
しかし、この法案には但し書きの文が付いている。
『有機分解や光分解が可能な風船は除外する』である。
有機分解や光分解が可能な風船は除外するのであるからゴム風船は飛ばしても良い事となっているのである。(1,6,参照)
以上の様に植物性天然ゴムから作ったゴム風船は自然環境(自然の紫外線、オゾン、太陽熱、雨、風、微生物、等)により分解して土に還る物であり、海の哺乳動物や海亀にも害を与えないと思われる。

6の文献
@『ポリマーと樹脂』B、ゴールデング博士著 N.Y 1959
A『繊維、フイルム、プラスティックとゴム』W.J.ロフ・J.R.スコット著
B『ゴムの加工技術と製造法』C.Wブロウ著 London 1971
C『ポリマーの自然環境中での曝気』A.ディビス著 London 1983
D『化学とゴムの加工技術』C.Cディビス著 N.Y 1937
E『天然及び合成ゴム化学』H.Lフィシャー著 N.Y 1957
F『ゴムの加工技術の理論と実際』P.Kフリークリー著 London 1978
G『ポリマーの構造、特性と応用』R.Dディーニン博士著 Boston 1972
H『ゴムの技術用語』E.Iデュポン著 Delaware 1957


U.分解性から見た規定案

 天然ゴムで製造し天然ゴム風船の分解性に関するこれ迄の結果と、この問題に関して文献からの広範な証拠調べの結果から見る限り、如何なる規定によって風船の放出が規制されるにしても、天然ゴム風船を放出用風船の基準とすることが合理的である。言い換えると天然ゴムで製造したゴム風船を放出用として認める規定にする事、そして、天然ゴム風船より分解性の劣る材料で製造した風船は、すべて放出用に使用してはならない、という事である。この規定の下では、「マイラー」箔を蒸着した風船は放出用には使用できないし、また天然ゴムより生分解性の悪い合成ゴムやプラスチック材で製造した風船は、すべて放出用としては使用できない。

 放出用風船として容認できる新成分の風船材料のテストは、本研究報告の「U.自然環境中でのゴム風船の分解試験」で実施した方法に準じて行うと良い。このテストには天然ゴム風船を指針(モデル)として使用する事を勧めたい。被曝テストを2〜3か月実施した後、仮に新成分の材料が、天然ゴム風船より分解性の劣ることが判明した場合には、その新成分の材料を放出風船として認めるべきではないそのサンプルの分解性を判断するには、目視検査も併せて実施すべきである。この検査では、ゴムの分解の兆候としてのゴム膜の強度の劣化、ヒビ割れ、軟化、伸縮性の低下、粘り具合などを調べる必要がある。

 繰り返しになるが、ゴム風船の分解検査は、実際の「風船の放出」条件に近づけるように、風船に空気を満杯にしてから直射日光に数時間当てた後で始めることが必要である。こうした試験開始前の準備が、分解試験のためには最も大切な事なのである。実際の処、ゴム風船が到達するような高空では、紫外線の照射の強さは、地上での照射量よりも遥かに強いものである。(参考文献7)。そのために経時テストを開始する迄に数日間、直射日光に当てておく必要がある。

V.風船の放出を規制するその他の規定案

米国風船芸術家協会(N.A.B.A)は、自然環境に対する影響を最小限に止どめ、安全を促進するために、風船の放出を規制する下記の規定を提案する。風船の放出について規定を設ける場合には、これを規則として盛り込むことである。

1. 空中へ放出できる風船は天然ゴム風船に限ること。マイラー箔蒸着風船は、これを放出してはならない。
2. プラスチック製円盤など一切の止め具を用いる事なく、風船の吹き込みノズルを結ぶだけにすること。
3. 風船に糸をつける場合、それは少なくとも風船と同等の生分解性を有するものであること。
4. 房状に束ねた風船を空中へ放出してはならない。放出する場合は、全て単体の風船とすること。
5. 一度に500個以上の風船を放出する場合は、予め連邦航空局へ通知すること。

W.カリフォルニア州刑法第1559章第653条の1

A. 何人も導電性の素材から成り空気より軽量のガスを充てんしたバルーンを、下記の措置を講ずることなしに販売しまたは卸してはならない。
@ バルーンの本体または付属部分にバルーンの浮揚を防止するに十分な重量を持った重りを付加する事。
A 消費者に対しバルーンが電線に接触した場合の危険性を警告した注意書をバルーンに添付する事、もしくは注意書を必ず添付する旨取り扱い者に指示する事。
B バルーン製造業者名をバルーン表面に印刷・明示すること。

B. 何人も空気より軽量のガスを充てんし導電性のリボン、紐、吹き流しやその他導電性の付属品をつけたいかなるバルーンをも販売しまたは卸してはならない。

C. 何人も導電性の素材から成り空気より軽量にガスを充てんしたバルーン同士を互いに結び付けたものを販売しまたは卸してはならない。

D. いかなる個人・団体とも屋外において導電性の素材から成り空気より軽量のガスを充てんしたバルーンを、公共の催し物や販促活動、商品の広告宣伝等の一環として空中に放ってはならない。

E. 上記(A)、(B)、(C)、または(D)の項目に定める規則に違反したものは違反行為として百ドル($100)以下の罰金が課せられる。過去2度にわたり上記(A)、(B)、(C)、または(D)の項目に定める規則に違反した者が3たび違反した場合には軽犯罪として処罰の対象となる。

F. この条項は搭乗を目的とした熱気球、あるいは政府関係機関による事業や科学調査の為に使用される気球は対象外とする。

G. 電力各社は1991年1月1日より1993年6月30日までの期間、隔月で公益事業委員会に対し導電性の素材からなるバルーンに起因する停電事故に関する報告書を提出するものとする。この報告書には停電地域、バルーンの素材構成、および停電の規模などの事項が記載されるものとする。公益事業委員会はこの報告書の写しを該当するメタリック・バルーン製造業者の代表者に送付するものとし、かつ1993年12月31日までに下記の内容を州議会へ報告するものとする。
各電力会社より報告された月毎の停電件数
1988年度法令第1122条の規定に基づき報告される月毎の停電件数と、本条例の規定により電力各社より報告される停電件数との、数値的な傾向を反映した比較

X.バルーンリリースのガイドライン

1994−10−21
日本ゴム風船商工会
飛翔風船問題対策委員会

1. リリースには、ヘリウムガスを使用する事。…水素ガスの禁止

2. リリースされる風船は、ラテックスを原料とする『ゴム風船』である事。
蒸着フィルム使用のものや自然環境で生分解しないものは使用しない。

3. 使用するゴム風船の止め具に、プラスチックなどの生分解しない物は使用せず、風船自体でしばる事。

4. 糸など持ち手をつける場合、ゴム風船と同等の生分解性持つものを使用する事。
…木綿糸・輪ゴムの推奨

5. リリースされるゴム風船はすべて単体とし、集合体でリリースしない事。

6. リリースの実施場所、天候などロケーションを考慮する事。


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