一般社団法人 日本バルーン協会

天然ゴム風船の話

原材料

天然ゴム風船の原材料は「ラテックス」と呼ばれるゴムの木の樹液です。ゴムの木の表面近くを削ると樹液が流れ出し、それを容器に集めたものが天然ゴム風船の原材料となります。天然ですので紫外線に当たると劣化し、また微生物によって分解し、土に還る性質があります。

原産地

天然ゴムの原産地は主に東南アジアなど熱帯の国々です。特にタイ、インドネシア、ベトナム、中国の4カ国で世界の総生産量の約4分の3を占めています。そしてまだまだ経済的に貧しい地域において、天然ゴム栽培は人々の生活を支える貴重な収入手段の一つとなっています。

産業と環境

天然ゴムの原産地ではゴムの木は伐採することなく、大切に育てられます。また、これらの地域には絶滅危惧種の野生生物が生息しており、天然ゴムの生産は地域住民や労働者の生活を支えるだけではなく、自然環境の保護にも役立てられています。

参照元:WWF(人と自然が調和して生きられる未来を目指して)

製造

日本のゴム風船製造メーカーは原産地からラテックスを輸入し、自社工場で天然ゴム風船の製造を行っています。ゴム風船はフラスコのような型(膨らます前の風船の形)を「ラテックス」につけ込み、乾燥させることで作られます。

写真提供:株式会社ライオンゴム様

日本での歴史

日本ではゴム風船は明治の終わり頃には国産化され、大正時代には輸出もされていました。写真は昭和6年頃の宮島ゴム工業所です。屋根部分にゴム風船の装飾が施されているのが確認できます。ゴム風船は昔も今も私たちの生活を彩っています。

写真提供:株式会社ライオンゴム様