一般社団法人 日本バルーン協会

ヘリウムガスについて

地球上で最も軽いガスは水素で、昭和末期までは風船配布や風船飛ばしには主にこのガスが用いられてきました。しかしながらこのガスは可燃性のガスであり、度々、引火による爆発事故が発生していました。この社会的な問題を解決すべく、JBAの前身である日本ゴム風船商工会は1970年代に風船への水素の使用禁止、その代替ガスとしてヘリウムを使用する運動を行ない、その成果もあり、現在ではバルーンを浮遊させる為にヘリウムを使用するのが主流となりました。現在のJBAでもその方針に変わりありません。

ヘリウムガスの性質

ヘリウムガスは水素に次いで2番目軽いガスで、現在のところ地球上に存在する物質の中でもっとも低い温度で液化します。重量は空気の約1/7で、熱伝導は空気の約6倍、比熱は約5倍です。このガスは不燃性で燃焼しません。無色・無臭で人体には無害ですが、高濃度のガスを吸引すると酸欠になり窒息する恐れがあるので注意が必要です。

バルーン用ヘリウムガス吸引の危険性

社会一般的にヘリウムは声を変える面白いガスとしても認知されており、その為に使用するパーティグッズの「変声用ガス」にはヘリウムガスの他に、酸欠を防止する為に酸素が混合されています。一方、バルーン用のヘリウムガスはヘリウム濃度が99.99%のものが主流であり、酸素はほとんど含まれていません。このバルーン用のヘリウムガスを直接吸引すると瞬間的に酸欠状態になり、失神・呼吸停止が起こる可能性があります。危険ですので絶対に吸引しないでください。

ヘリウムガス(高圧容器)の取り扱い

容器内で加圧されており、熱すると爆発する恐れがあります。バルーン内に充填する際は換気の良い場所で行なってください。万が一、吸入し気分が悪くなった場合は病院で診察を受けてください。また室内でヘリウムガスが漏洩した場合、空気中の酸素濃度が低下している可能性があるので、速やかに換気を行なってください。またヘリウムガスを取り扱う際は下記をご参照ください。
参照

ヘリウムガス 化学物質等安全データシート(PDF)